Kitajima Fumitaka

oct 18 2021

福祉ベンチャー
介護送迎車相乗りサービス「福祉Mover」に迫る


株式会社エムダブルエス日高
代表取締役 北嶋史誉さま

現在、デイサービスを利用しているのは年間220万人以上。自分で通える利用者はごくわずかで、職員が施設の車両で送り迎えをしています。この送迎に目をつけサービス化にまでこぎつけたのは、群馬県を中心に介護福祉施設を展開する株式会社エムダブルエス日高。

送迎車版「ウーバー」とも呼べる「福祉Mover(ムーバー)」がエムダブルエス日高から生まれたと知り、発案者である北嶋史誉社長のお話を伺うべく群馬県高崎市にある「エムダブルエス日高 日高デイトレセンター」を訪れました。

国内最大規模の日高デイトレセンターには、2階ホールの1周80mの屋内歩行レーン、スポーツジムの併設、そして、群馬県内を中心に展開する大手スーパーマーケット「フレッセイ」との共同事業である、移動販売車「フレッシー便」が毎日事業所を巡回、自主性を引き出すようなプログラムがいくつも用意されています。

移動販売がある、ということは通所者は「現金を持っている」ということ。社会への復帰に、現金を持たないなんてありえない。この考えは今ではむしろ当たり前となっているようですが、当初はスタッフからの相当な懸念もあったよう。

株式会社エムダブルエス日高

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さらに北嶋社長は「解決できない社会課題はない」と話します。実際、社内ベンチャー制度がある、ベンチャースピリットを大切にする同社からは、たくさんのアイディアが生まれているとのこと。その中で全国から注目を集めるサービスとして産声をあげたのが「福祉Mover」。

スマホを使った遠隔のヒッチハイクと表現する利用者もいる同サービスは、「事業所ごとに張り巡らされたデイサービス送迎ルートを使った相乗りサービス」。スマートフォンで福祉MOVERのアプリを立ち上げ、すでに登録している目的地から行き先をタップするだけ。実にシンプルです。

近くを通る送迎車が「寄り道」をしてピックアップ、実に数分の出来事です。

地方では公共交通機関の絶対数が少なく、免許返納も増えていることから、このサービスが全国の地方都市に広がることを期待したいです。北嶋社長が描く未来像、ぜひお聴きください!







【スペシャルゲストプロフィール】
北嶋 史誉(きたじま・ふみたか)

92年 東北福祉大学を卒業し、同年 医療法人社団日高会日高病院へ医療ソーシャルワーカーとして入職、98年(株)エムダブルエス日高へ移籍、16年に(株)エムダブルエス日高からスピンオフする形で一般社団法人ソーシャルアクション機構を設立し代表理事に就任。