HIRAISHI AKIRA

mar 14 2022

現場を支える
全国老施協が描く未来のあるべき姿とは


全国老人福祉施設協議会
会長 平石朗さま

「全国老施協」の名で親しまれている「全国老人福祉施設協議会」。高齢者福祉・介護の現場の課題の改善を図りその推進を図るために、各種の事業・サービスを展開、さらには政府等に対して強力な政策提言を行っている団体です。団体としての取り組みについてはもちろん、高齢者福祉・介護について幅広くお話を伺うべくお時間をいただいたのは、2019(令和元)年6月に会長に就任した平石朗さん。

大学時代に哲学を専攻されていた平石さん。どうして高齢者福祉・介護の世界に飛び込まれたのでしょうか。

「大学3年生の春休みに障がいをもった人が納屋に閉じ込められる生活を強いられていたニュースを目にしたから」と話す平石さん。いてもたってもいられなくなった平石さんは、障がい者を支援するサークルに入り、施設にアルバイトに行くなど活動を開始、無認可作業所に飛び込んだのち「気がつけば40年間、この仕事を続けている」と話します。

無認可作業所の風景

全国老施協の会長として、これまで「融和と再生」を基本方針に取り組んできた平石さん。第2期目においては「介護現場の革新」など4つの取り組みを中心に活動していくと宣言されています。中でも重要となるポイントは、「ICTなどの最先端技術と介護・福祉の融合」。

職員の肉体的・精神的な負担を軽減し、職場環境改善につながることに加え、忙しさに追われて十分対応できなかった利用者への個別支援等の時間が増えることから、必要不可欠なポイントであることは頷けます。全国老施協では、「全国老施協版介護ICT実証モデル事業」を構築し、全国への普及に向けて動いています。

また、「老施協デジタル」やスマホアプリ「老施協.com(ドットコム)」なども立ち上げ、情報発信にも力を入れています。全国老施協×映画『ケアニン』ショートフィルムでは「私たちは、全国のケアニンを応援しています」をメッセージとして届けています。



平成30年度に公表した「老施協ビジョン2035」では、介護が必要となった高齢者が「最期の一瞬まで、自分らしく生きられる」よう支援すると宣言、平石さんの一挙手一投足にますます注目が集まることでしょう。インタビュー、是非お聴きください。




【スペシャルゲストプロフィール】
平石朗(ひらいし・あきら)

1955年生まれ。和歌山県出身。岡山大学法文学部哲学科卒。尾道さつき作業所(無認可)就職。特別養護老人ホーム星の里施設長、社会福祉法人尾道さつき会理事長。2011年4月広島県老人福祉施設連盟会長に就任。3期6年間勤め、現在は顧問・代議員として活動。2015年全国老人福祉施設協議会・大会フォーラム副委員長に就任。1 期2年を担当し、2017年4月に辞任。2019年6月より現職。