jan 24 2022
慈悲の心
世界の善意から生まれた「十字の園」の理念
社会福祉法人 十字の園
理事長 鈴木淳司さま
今回お邪魔したのは、静岡県・浜松市。徳川家康が武田軍に大敗を喫したことで有名な三方ヶ原近くに、日本で最初に設立された特別養護老人ホームがあると伺い、お邪魔したのが十字の園。お話を伺ったのは理事長である鈴木淳司さんです。
社会福祉法人 十字の園
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ドイツのハニ・ウォルフ姉妹が、終戦後、ドイツのキリスト教徒に日本の高齢者の窮状を訴え、1マルク献金と呼ばれた募金を募り当時の金額で約600万円の資金を作ったことで産声をあげた十字の園。同じ敗戦国であったドイツも終戦後はかなり苦しんでいたはずですが... ドイツの方々の心が日本に届いたというエピソードには、感動しかありません...
キリスト教の精神に立って福祉サービスを提供する十字の園の理念は、旧約聖書の一つ、ゼカリヤ書に記載がある「夕暮れになっても光がある」。夕暮れで、どんどん暗くなる一方という時でも、薄れることのない光が神から与えられるという一節です。
「夕暮れ」という言葉には、暗い、寂しい、悲しい、という、悲観的なイメージが付き纏います。しかし聖書は、世界の夕暮れには光がある、つまり希望があることを教えてくれます。
また、十字の園が大切にしている「私はぶどうの木、あなたがたはその枝である」というヨハネによる福音書の言葉についても教えていただきました。植物の枝や葉が木の幹に繋がっていることで生き永らえることができるように、私たちも何かに繋がり、何かに生かされていると考えることで、心を豊かにし意味のある人生を生きることができる、という意味だと私は解釈していました。
鈴木理事長の解釈を教えていただき、私自身はあまりにも表面的で浅学であったと反省しています... キリストの愛に包まれる十字の園の魅力を、鈴木理事長へのインタビューから共有できれば嬉しいです。
【スペシャルゲストプロフィール】
鈴木淳司(すずき・あつし) / 代表挨拶
私は、人生の悩みの中で聖書を通じてイエス・キリストの愛に導かれ、福祉の世界に飛び込みました。十字の園で介護職員として働きながら、毎朝捧げられる礼拝で、利用者の生活と職員の働きは神様に捧げられ、守られていると感じました。それは、今も続いています。
これまで支援をさせて頂く中で、利用者の方は、私の拙い支援に笑顔を返して下さり、自信のない私に前を向く勇気をくださいました。利用者の方からお話を聞くことができた時は、一人ひとりの苦労や喜びの人生の中に、私が関わる事ができる意味を考えさせられました。そこには、職員や利用者の区別なく、神様によって共に生かされている喜びがあったと思います。
十字の園では、開設からこれまでに多くの方と出会い、別れを経験してきましたが、その方々から教えて頂いた大切なことがたくさんあります。その事を、次の世代にしっかりと伝えていきながら、全ての人が喜びと自由と希望の中で生きる社会の創造を目指してまいります。
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