WAKAYAMA MICHIHIKO

feb 21 2022

看取り犬・文福
人の命に寄り添う奇跡のペット物語


さくらの里山科
施設長 若山三千彦さま

ワンちゃん、ネコちゃんと一緒に暮らせる特別養護老人ホーム「さくらの里山科」。特別養護老人ホーム「さくらの里山科」は4階建て全120床で完全個室制、犬・猫と暮らせる場所が4ヶ所。全国的にも珍しい高齢者施設です。「高齢になって介護が必要な状態になっても、入居者の方にはいろんなことを楽しむ権利がある。旅行好きな方は旅行をしたいし、ペット好きの方はペットと暮らしたいと思うのは、当たり前こと」と話すのは、当ホーム施設長である若山三千彦さん。



高齢者の生きがい支援の一つとして始まったペットとの共生は、認知症の改善が見られるなど驚くべき効果があったそうです。例えば、ご家族の名前や顔を忘れてしまった認知症の方が家族を思い出し、末期ガンで余命3ヶ月を宣告された方が10ヶ月近く愛犬と幸せな時間を過ごすことができたといったエピソードなど、枚挙にいとまがありません。

が、「さくらの里山科」では、さらに驚きの奇跡が起こっていたのです。「看取り犬・文福 人の命に寄り添う奇跡のペット物語」(宝島社)には、「看取り犬」として活躍する柴犬の文福が登場します。なんといつも元気いっぱいの文福は入居者が逝去される2~3日前になると、死を予兆し部屋の扉にもたれかかるようにして座り、扉の前で部屋に入ることなく寂しそうな様子を見せるというのです。さらに、入居者の最期の瞬間には、おもむろに部屋に入りベッドに上がり、入居者に寄り添い続け看取るというのです。

人の最期を察知して寄り添う文福の存在は、現場で一番身近に感じていたスタッフの方々の考え方に変化をもたらしました。「職員は、文福を通して言葉にできない入居者の方の最後の思いを形にできるようになっていった」と若山さんは振り返ります。



若山さんへのインタビュー後には「余命3カ月の入居」というエピソードを朗読形式でお聴き頂けます。末期癌のため余命3カ月の状態で入居された伊藤大吉さん(仮名)と、愛犬のポメラニアンのチロ君の物語です。高齢者施設でペットと共生できることが当たり前の社会になるよう、挑戦を続ける若山さんへのインタビュー、ぜひお聴きください。





【書籍紹介】
書籍:看取り犬・文福 人の命に寄り添う奇跡のペット物語
(発行:宝島社)



  • 「何度読んでも涙が止まらない」、「ペット好きじゃなくても心温まる」、「考えさせられるドキュメンタリー」等々、発売後すぐに大きな反響を呼び、重版を繰り返すも、刊行元の経営破綻により店頭から姿を消していた“ペットと人の感動実話“が、新編と後日譚を加え、装いも新たに復活!NHKをはじめ、テレビ、新聞、雑誌で取り上げられている日本で唯一、ペットと入居できる“特別養護老人ホーム” 。そこに住み、人の最期を察知して寄り添う保護犬「文福」を主人公に、涙なしには読めない、“愛”と“奇跡“が詰まった物語です。

    お求めはこちらから


【スペシャルゲストプロフィール】
若山三千彦 (わかやま・みちひこ)

1965年神奈川県生まれ。横浜国立大学教育学部卒。世界で初めてクローンマウスを実現した実弟・若山照彦を描いた『リアル・クローン』で第6回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。教員を退職後、社会福祉法人心の会を創立。2012年、特別養護老人ホーム「さくらの里山科」を設立。

特別養護老人ホーム「さくらの里山科」
詳細はこちらから