Kobayashi Masahiko

dec 13 2021

地域福祉の要
民生委員活動の基礎知識


国際医療福祉大学 医療福祉学部長
教授 小林雅彦さま

社会福祉の哲学といえるノーマライゼーション。N・E・バンク=ミケルセンによって提唱されたものであり、障害者や高齢者などがほかの人と平等に生きるために、社会基盤や福祉の充実などを整備していく考え方をさします。

社会的立場が弱い人たちの生活を通常の社会環境で送れるようにするだけでなく、誰もが自分らしい生き方を追求できるのが社会としてのあるべき姿。実現のために、私たちは何を知り、どう行動すれば良いのでしょうか。

お話を伺うべく、栃木県大田原市にキャンパスを構える国際医療福祉大学を訪問、 医療福祉学部長である小林雅彦教授にお会いしてきました。なお、国際医療福祉大学は、国家試験対策講座や個別指導、模擬試験など、きめ細かなサポートを行い、毎年、合格率は全国トップクラスになるなど高い実績をあげています。

2021年3月卒業生の国家試験の結果は、看護師(成田看護学部、福岡看護学部)、保健師(成田看護学部、小田原保健医療学部、福岡看護学部)、理学療法士(保健医療学部、成田保健医療学部)、作業療法士(小田原保健医療学部)、視能訓練士(保健医療学部)、介護福祉士(医療福祉学部)で合格率100%を達成したほか、全学部・学科で全国合格率を大きく上回っています。



「鍵となるのは民生委員」と話す小林教授。全国各地で活動を続ける23万人の民生委員は、職務に専従しているわけでもなく、特別な権限を持っているわけでもない。そして無給で活動するボランティア。一方で、地域福祉活動の推進役として、民生委員に期待されている役割は大きなものがあります。

小林教授は、著書「民生委員活動の基礎知識」(中央法規)を始め、民生委員シリーズの著作を執筆する傍ら、全国各地で講演を行っていらっしゃいます。親身になって話を聞く、専門職との連携、プライバシーに配慮しながら地域住民の協力を求める方法など、民生委員の活動に寄り添い、具体的な方法について、言及しています。

地域社会の一員として、私たちができることは小さな一歩かもしれません。しかし、「その一歩が大きい」と小林教授は話します。私たちが地域福祉活動の一歩を踏み出す際に、推進役となる民生委員の役割は、やはり大きいものだと感じます。

地地域福祉の要となりうる民生委員の活動から、地域福祉について大いに考えさせられる時間となりました。小林教授へのインタビュー、ぜひお聴きください。






【書籍紹介】
書籍:民生委員活動の基礎知識: おさえておきたい30のポイント
(発行:中央法規出版)



  • 【この一冊で、民生委員活動の基本がわかる!】
    「民生委員になったばかりの人でも、これ一冊あれば基礎が押さえられる」がコンセプトの、民生委員活動の入門書です。活動のなかでよく生じる疑問、住民から寄せられる相談、地域社会で対応が求められる課題等を取り上げ、Q&A形式で各項目をコンパクトにまとめました。地域の方々や関係機関と連携してすばやく問題に対応するために、ぜひ活用していただきたい一冊。民生委員活動の参考書としても、研修用のテキストとしても最適です。


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【スペシャルゲストプロフィール】
小林雅彦(こばやし・まさひこ)

日本社会事業大学大学院社会福祉学研究科 修士課程修了 (社会福祉学修士)。全国社会福祉協議会、厚生労働省地域福祉専門官等を経て2002年に本学就任。2021年4月より学部長。厚労省では社会福祉基礎構造改革のプロジェクトメンバーとして社会福祉法、民生委員法等の改正に携わる。栃木県や千葉県など各自治体の地域福祉計画策定アドバイザー。検定済高等学校教科書「社会福祉基礎」執筆者。