sep 24 2021
世界最高峰
「培養幹細胞治療」最前線
アヴェニューセルクリニック 再生医療統括医師
医学博士 辻晋作さま
脱毛症、変形性ひざ関節症、脳梗塞後遺症、認知症、リンパ浮腫、動脈硬化、ALS、歯周病、視力回復などなど......これら一般的に治療困難な疾患や痛みが解消される可能性があると聞いたら、驚きを隠すことはできないでしょう。
そこでこれらの疾患や痛みに「再生医療」、具体的には「培養幹細胞治療」で挑戦を続ける、アヴェニューセルクリニック 再生医療統括医師医学博士 辻晋作さんをお招きし、じっくりお話を伺いました。
私たちの体は、無数の細胞から構成されています。これは、たった1つの細胞であった受精卵に含まれる細胞の元となる細胞、幹細胞が分裂・分化(*注1)して、組織・臓器を構成する多様な細胞を作り出してきたから。
日本では2014年に再生医療に関する法制度(*注2)も整備され、より盛んに再生医療が実施されるようになりました。幹細胞をもちいる再生医療は、厚生労働省が認めた特定認定再生医療等委員会でその治療の妥当性・安全性・医師体制・細胞加工管理体制が厳しく審査されます。そこで適切と認められれば厚生労働省に治療計画を提出することができ、はじめて治療を行うことが可能となります。
もちろん、アヴェニューセルクリニックは正式なプロセスを踏み厚生労働省に第二種再生医療等提供計画を提出し、計画番号を取得した医療施設。さらに、アヴェニューセルクリニック、そして辻先生が取締役を務めるCPC株式会社は現在、関節/運動器のバイオロジーと再生医療研究開発の2つの領域で幅広い研究を展開している、東京大学整形外科学教室「骨・軟骨再生医療講座」にて、脂肪由来間葉系幹細胞(脂肪幹細胞)を用いた共同研究が実施されています。
「培養幹細胞治療」とは一体何か、難病と言われる疾患に対しての新たなアプローチ方法、そして、新細胞である「TOPs細胞」の将来性などもお聞きしてきました。再生医療、そして培養幹細胞治療の可能性について、ぜひお聴きいただきたいと思います。
*注1 分化(ぶんか)
特定の機能を持つ細胞に変化、成熟すること。分化した細胞は幹細胞と異なり、分裂する能力は低くなり、他の種類の細胞になることは出来なくなります。
*注2
2014年11月、新たに「再生医療等の安全性確保等に関する法律」(再生医療安全性確保 法)が施行され、旧薬事法に代わり「再生医療等製品」についての規制を含んだ「医薬品、医療機器等の品質、有効性および安全性の確保等に関する法律」 (医薬品医療機器等法)が施行されました。
【書籍紹介】
書籍:あなたを救う培養幹細胞治療
(発行:集英社インターナショナル )
再生医療の"今"がわかる一冊!
次世代の治療として世界中で研究が進んでいる再生医療。日本においても新たな成長戦略のひとつとして有望視され、2014年施行の新法(再生医療等の安全性の確保等に関する法律)によって世界でもっとも再生医療実用化を推進する国のひとつになりました。
こうした後押しもあり、まだ研究段階だと思われがちだった再生医療が、膝などの関節治療をはじめ、整形外科、形成外科といった身近な分野で、すでに実際の治療がスタートしています。
なかでも特に注目されているのが、患者の身体から幹細胞を採取・培養して投与・移植する培養幹細胞治療です。
本書では、本分野の最前線で活躍する辻晋作医師が、培養幹細胞治療を中心に、再生医療の効果や課題、今後の展望などについてもわかりやすく解説します。
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【スペシャルゲストプロフィール】
辻 晋作(つじ・しんさく)
1974年生まれ。医学博士。アヴェニューセルクリニック再生医療統括医師、CPC㈱取締役・事業統括医師。東京大学医学部卒業後、発毛や形成外科領域の研究・治療を行う中で、脂肪由来幹細胞の整形外科領域(特に膝痛などの変形性関節症)における可能性に着目。2016年に同クリニックを設立し、東京大学や大手企業と協力しながら培養幹細胞治療の第一人者として活躍中。