Akiyama Ayano

sep 17 2021

民間参入
急拡大する宇宙ビジネス最前線


サイエンスライター 翻訳者
秋山文野さま

アメリカの宇宙開発企業「スペースX」の宇宙船が日本時間の19日、地球に帰還しました。「インスピレーション4」と名付けられたこの宇宙飛行は、アメリカのIT企業の創業者ジャレッド・アイザックマン氏がテネシー州メンフィスにある「セントジュード小児研究病院」の募金活動をミッションに企画されたものです。同病院は、小児がん施設のランキングで全米1位の病院です。

アイザックマン氏を含め4人の民間人を乗せた「スペースX」の宇宙船は、日本時間の今月16日、フロリダ州から打ち上げられ、地球の周回軌道をおよそ3日間飛行しながら、大型の展望窓から地球を眺めたり、子ども専門病院の患者と通信したりする活動を行いました。



軍や、NASA=アメリカ航空宇宙局などに所属しない、民間人だけが乗り組む宇宙船が、民間企業によって地球を回る軌道に打ち上げられたのは宇宙開発の歴史で初めて。これから本格化する宇宙開発、いまどういう状況なのか、そしてこれからどうなっていくのか、そして日本はどう爪痕を残せるのか、誰もが気になっていることと思います。

そこで、今回サイエンスライターとして宇宙開発をウォッチしてこられた秋山文野さんから、これまでの宇宙開発の歴史、現在注目すべきことなど、宇宙ビジネスを中心にお聞きしました。

「スペースX」創業者のイーロン・マスク氏が、「スターベース(Starbase)」と呼ばれる新たな企業都市設立の構想をなぜテキサス州としたのかは、歴史を知るとハッキリわかります。実は、「マ スク氏より早く宇宙開発に注目していたビリオネアがいた」(秋山さん)のです。そのビリオネアとは、アンドリュー・ビール(Andrew Beal)氏。

ビール氏はテキサス州マクレガーでビール・エアロスペース(Beal Aerospace)を立ち上げました。世が世なら、ビール氏が時の人となってもおかしくはなかったかもしれませんが...同社は閉鎖の憂き目に。一方で、ロケットエンジンのテストや宇宙船のプロトタイプの打ち上げができる場所を探していたマスク氏は、閉鎖された施設を引き取り活用を開始しました。テキサス、であることにもしっかり理由がありました。

なぜ、ここにきて宇宙開発が盛んになってきたのか、歴史を紐解くことはとても重要です。もちろん、日本で注目すべき企業、注目の理由などについてもしっかり話を伺ってきました。宇宙旅行にとどまらない、宇宙ビジネスについて、ぜひお聴きください!







【スペシャルゲストプロフィール】
秋山文野(あきやま・あやの)

1990年代からパソコン雑誌の編集・ライターを経て宇宙開発中心のフリーランスライターへ。ロケット/人工衛星プロジェクトから宇宙探査、宇宙政策、宇宙ビジネス、NewSpace事情、宇宙開発史まで。著書に電子書籍『「はやぶさ」7年60億kmのミッション完全解説』、訳書に『ロケットガールの誕生 コンピューターになった女性たち』ほか。

秋山文野 宇宙開発ニュース(Yahoo!ニュース)