oct 13 2021
消滅危機
日本人が知らない漁業の大問題
鹿児島大学水産学部教授
佐野雅昭さま
日本から漁業が消滅するーー
センセーショナルな文章で日本が置かれている漁業の現状に警鐘を鳴らすのは、「日本人が知らない漁業の大問題」(新潮新書)の著者であり、鹿児島大学水産学部教授 佐野雅昭さん。
国土面積は61番目である一方、海の広さは世界6番目、体積では4番目という大変豊かな資源を持つ日本。しかし、どうして漁業は衰退産業として捉えられているのでしょうか。
私たちは確かに回転寿司などで海鮮類を食すことはあります。スーパーに行ってもしっかり魚類販売のコーナーはあります。それでも、世代ごとに見ると若い方はあまり魚を食していないことが、統計でハッキリと出ているのはとても残念なことです。
このままだと、本当に日本の漁業は消滅してしまうかもしれない。でも、肥料がいらない海が巨大な耕地として目の前にある日本には打てる手がまだまだあるはず。
佐野先生から、「近代の傑作」とも言われる漁協の存在によって安全に私たちは食することができること、また、生産者から私たち消費者をつなぐ上で特徴ある経営をしている主体の存在、さらには、養殖やテクノロジーの進化など、断片的情報に触れることが多い漁業について、体系的にお話いただきました。
漁業の今、そして未来について、佐野先生へのインタビューぜひお聞きいただきたいと思います。
【書籍紹介】
書籍:日本人が知らない漁業の大問題
(発行:新潮新書)
誰が漁業を殺すのか。「魚食」廃れて国滅ぶ――。衰退し続ける漁の現場、揺らぐ流通・小売と魚食文化、的外れの政策……新聞やテレビでは報じられない、漁業を取りまく深刻な構造問題を気鋭の水産学者が徹底検証。
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【スペシャルゲストプロフィール】
佐野 雅昭(さの・まさあき)
1962年大阪府生まれ。京都大学法学部卒。東京水産大学修士課程、水産庁を経て北海道大学水産学研究科で博士号取得。現在、鹿児島大学水産学部教授。専門は水産物流通。著書に『サケの世界市場』(漁業経済学会学会賞)などがある