Sasaki Shinichi

nov 04 2021

ゼロアグリ
AI潅水施肥システムで持続可能な農業を実現


株式会社ルートレック・ネットワークス
代表取締役社長 佐々木伸一さま

創業以来改良を続けてきたIoT技術を活かし、子どもたちの未来を拓く助けになりたい。「テクノロジー」で、生産性を上げながら持続可能な農業と社会を実現したい。そんな想いから開発された、AI潅水施肥システム「ZeRo.agri(ゼロアグリ)」を武器に挑戦を続ける、ルートレック・ネットワークス創業者である佐々木伸一社長にお話を伺いました。

「ZeRo.agri(ゼロアグリ)」は、IoTとAI技術が潅水と施肥を自動化し、「高収量・高品質・省力化」に貢献、生産者の神経・頭脳・手を代替するAI潅水施肥システムです。既存のパイプハウスでも導入可能な土壌の環境制御システムで、PCやスマートフォンからの簡単な操作で理想的な少量多頻度潅水を行えます。

これらの技術は高い評価を受け、2018年には、第4回日本ベンチャー大賞(農業ベンチャー賞 農林水産大臣賞)を受賞、同年経済産業省よりJ-Startup企業、内閣府官邸 先進的技術プロジェクト「Innovation Japan」にも選出されています。

「ZeRo.agri(ゼロアグリ)」とは?
潅水と施肥を、IoTとAI技術で自動化し「高収量・高品質・省力化」に貢献する自動潅水装置です。
日射と土壌水分量(排液流量)から蒸散量を推定し、植物が必要としている量だけ潅水する少量多潅水を実現します。
一般的な土耕ハウスに導入し、養液土耕や養液栽培の潅水施肥をスマート化することができます。


技術基盤はイスラエル。1930年代初期イスラエルで発祥した、「少量の水で、いかに効率よく生育を促すか」という考えを元にした養液土耕栽培という栽培方法です。 チューブの穴から少量ずつポタポタと、土に浸透するスピードで水を垂らす(点滴潅水)ことで、節水はもちろん、作物の生育をも改善することが明らかになりました。

現在では、養液土耕栽培による水と肥料とを合わせた培養液(液肥など)を供給することで、従来の慣行栽培と比べ、「水・肥料の軽減」のみならず、「収量・品質ともに向上」するようになりました。なお、予報日射量と土壌水分量の両方で制御を行う潅水施肥システムは他社に類がなく、すでに米国、イスラエル、日本で特許取得済み。

施設園芸市場のスマート農業導入者 調査レポート(会社HPより)

データ活用による精密農業を行うスマート農業従事者の声として、ゼロアグリ導入生産者様の声を集めた調査レポートによれば、ゼロアグリを導入していただいた生産者のうち、90%近くの生産者が省力化(時短)効果を感じており、AIを活用した自動潅水のタイミングについても、90%の生産者が良好と回答されています。

同社の「ZeRo.agri」がさらなる進化を遂げ、日本の農業を変える未来に大いに期待が持てます。世界の食と農の課題を根本的に解決するため、挑戦を続ける佐々木さんの想い、ぜひお聴きください。





【スペシャルゲストプロフィール】
佐々木伸一(ささき・しんいち)

1980年明治大学工学部卒業。日本モトローラ、ウエスタンデジタルジャパンを経て、インキュベーション事業を展開するアイシスに参画。代表取締役を経験後、2001年にルートレック・ネットワークス代表取締役就任。2005年にMBOを行い、現在のルートレック・ネットワークスを設立する。