jan 07 2022
「観光立国」の秘密
なぜニセコだけが世界リゾートになったのか
株式会社マリブジャパン
代表取締役 高橋克英さま
世界的リゾート地となった北海道・ニセコ。コロナ禍でインバウンドをはじめとした外国人観光客がゼロになっているにも関わらず、影響を軽微にとどめているニセコの理由、そしてその魅力とは。「なぜニセコだけが世界リゾートになったのか」(講談社+α新書)を上梓された株式会社マリブジャパン 代表取締役の高橋さんにお話を伺いました。
ニセコについて考える際に大事なのは、金融面に注目することだと話す高橋さん。ニセコに富裕層が集まる理由に、ホテルコンドミニアムが挙げられます。ニセコにはホテルコンドミニアムが330棟もあり、その大半を外国人の方が所有しています。儲かる仕組みを知る海外の投資家が、分散投資も含めニセコに注目し、投資が投資を呼ぶような状況になっています。
具体的には、ニセコはインカムゲインがゼロだとしても、キャピタルゲインが得られる土地だという発想を多くの富裕層は持っているということ。昨今の金融緩和により、世界中の株式市場や不動産市場にお金が流れていますが、ニセコはまさにその恩恵を最大に受けている土地なのです。
パウダースノーの良質な雪質のスキー場をはじめ、雄大な景観を誇るニセコは、外国人、特にアジアの富裕層の方々から人気があります。とはいえ、フランスのクーシュベルなど世界の名だたる冬季リゾートに比べたらニセコはまだ割安であるという側面もあります。そのため、ニセコには外資系の一流ホテルが続々と進出、ニセコの確かなブランド化、世界的リゾートとしての価値が見込まれる可能性はまだまだ広がりを見せているのです。
コロナ禍、観光立国としての日本の道筋が途絶えてしまったのではないかと思われがちですが、金融面など少し視点を変えてみると、全く違う世界が見えてくることを教えてくださった高橋さん。高橋さんの経験と知見の詰まったインタビュー、是非お聴きください。
【書籍紹介】
なぜニセコだけが世界リゾートになったのか
「地方創生」「観光立国」の無残な結末
(発行:講談社)
地価上昇率6年連続日本一の秘密は何か。
新世界「ニセコ金融資本帝国」に観光消滅の苦境から脱するヒントがある。
「客数より収益、消費より投資」が回す新しい経済を、富裕層マーケットに精通する著者が分析する。
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【スペシャルゲストプロフィール】
高橋 克英(たかはし・かつひで)
株式会社マリブジャパン代表取締役。1969年生まれ、岐阜県出身。三菱銀行、シティグループ証券、シティバンク等にて四半世紀、主に銀行クレジットアナリスト、富裕層向け資産運用アドバイザーとして活躍。その後独立して金融コンサルティング会社マリブジャパンを設立。世界60か国以上を訪問し、バハマ、モルディブ、パラオ、マリブ、ロスカボス、ドバイ、イタリア湖水地方、ハワイ、ニセコ、沖縄など国内外リゾート地にも詳しい。映画「スター・ウォーズ」シリーズの著名コレクターでもある。1993年慶應義塾大学経済学部卒。2000年青山学院大学大学院 国際政治経済学研究科経済学修士。日本金融学会員。著書に『銀行ゼロ時代』(朝日新聞出版)など。