Kubo Sosuke

dec 15 2021

難聴の社会課題に挑む若き起業家
世界初のワイヤレス集音器「エイブルエイド」とは


株式会社フリークル
代表取締役CEO 久保聡介さま

現在、社会課題となっている認知症。その大きな要因の一つに「難聴」があり、日本で一千万人を超える人が苦しんでいます。しかし、「難聴」を解決すべく、画期的な製品「エイブルエイド」を生み出し、世界展開をも視野に開発に励む若き起業家がいます。その起業家とは、株式会社フリークル、代表取締役CEOの久保聡介さん。

ある時、ご自身のご家族が難聴を患い、補聴器を使っても声が聞き取れない現状を知ります。複数の人が話している時に人の声を聞き分けることができず、また高品質な補聴器ほど声がクリアになる分、騒がしい場所での使用が困難になってしまうという課題を知り、行動に移します。

以前、日本I B Mでロボットやウェアラブルデバイスの開発等を担当されていた久保さん。自身が培ってきた技術のノウハウで何か役に立つ製品が作れないかと考え、28歳で独立。試作の段階から多大な苦労を重ね、何度も挫けそうになりながらも、この市場にイノベーションを起こそうと、世界初の画期的なワイヤレス集音器「エイブルエイド」を完成させました。

ワイヤレス集音器「エイブルエイド」


「エイブルエイド」は、耳のピントを合わせることにより聴く力を上げられるという、人間の「カクテルパーティー効果」を技術で実現した画期的な商品。医療器認定されている補聴器ではなく、ワイヤレス集音器に分類されます。騒がしい中でも対面する人の声だけを聞き取ることができる、独自のコミュニケーションフォーカス(特許出願をしている世界にない技術)機能を搭載、ワイヤレスイヤホンと完全に兼用できる集音器であるという点が非常に注目されています。

また、品質を保ちながら顧客の買いやすさを一番に、価格を「国産で4万円以下」と設定、開発に挑んできました。新規事業を成功させるためには、「知識やノウハウだけではなく、何よりも"想い"を持って取り組むことが大切」と、久保さんは語られます。そして、20代で起業し30代前半でメーカーを立ち上げたという成功体験を自分が作ることで、若い世代の人が希望を持って挑戦してもらえれば、と語ります。



「エイブルエイド」に続いて、来年リリース予定の商品が2つあるとのこと。これから5年、10年と、会社の成長と共に次々と新たな技術を展開し、世界を大きく変える可能性のある貴重なお話を伺いました。久保さんのインタビュー、是非、お聴きください。






【スペシャルゲストプロフィール】
久保聡介(くぼ そうすけ)

鹿児島生まれ。中央大学法学部卒業。弁護士を目指していたが、テクノロジーで社会課題を解決したいという思いから起業を意識し始める。ITについて学ぶべく、日本IBMに就職し、戦略コンサルタントとして、最先端のIT技術を使った事業開発に従事。その後、マーケティングを学ぶために、外資系コンサルティングファームで1年間修業し、2017年4月に起業。現在に至る。