Aritsubo Tamio

aug 26 2021

本音炸裂
誰も書かなかった"ぶっちゃけ"日本農業論


「誰も農業を知らないープロ農家だからわかる日本農業の未来」著者
有坪民雄さま

経営者層やマネジメント層など、日本の未来を創るビジネスリーダーのための総合メディアであるJBpress (ジェイビープレス)。こちらに「農業とイノベーション」をテーマに連載されていたものに大幅に加筆されて生み出された「誰も農業を知らないープロ農家だからわかる日本農業の未来」(原書房)。

内容は......ここまで"ぶっちゃけ"て書いてしまっていいのだろうか、と驚くものでした。例えば......

・農薬を否定する人は農業の適性がない
・遺伝子組み換え作物の栽培を実現せよ
・六次産業化は絵に描いた餅
・農業IoTは地域振興と矛盾する など


内容の詳細、並びにディスカッションさせていただきたいと思い、本書著者である有坪民雄さんが、2ヘクタール(ha)の農地で山田錦を中心にコメの栽培をするほか、和牛60頭を肥育されている兵庫県三田市へお邪魔し、じっくりお話を伺ってきました。

写真はイメージです

日本は農薬を世界で高い水準で使用されている、だからダメだ!という論調は多いのですが......有坪さんから「コメを主食としている国」で「1haあたりの収量」で農薬を眺めてみると、日本は決して農薬使用水準が高いわけではないことに気づかされました。

また、遺伝子組み換え作物は、この世になかったものなので不安を持つ方がいることに理解を示した上で「この世で最も安全性の確認がなされてきた作物であると言える」と話されます。多項目において人類史上最高レベルの検査が行われており「最も得体の知れている安全な食品」である、という意見は説得力があります。

実際、1975年カリフォルニア州アシロマで、遺伝子組み換え技術の安全性に関わる会議は、実際の遺伝子組み換え作物が世にでるより19年も前に開催されていたことを初めて知りました。

アシロマビーチ

その上で、農協のブランド活用や半アマゾン化、新規就農の成功確率、兼業農家を育てよ、などこれからの日本の農業の未来についてポジティブにいくつも提言なされています。「誰も農業を知らない」という立ち位置からの異色の内容、ぜひお聴きください!





【書籍紹介】
書籍:誰も農業を知らないープロ農家だからわかる日本農業の未来
   (発行 原書房)



  • 大規模農業論、6次産業化…机上の改革案が日本農業をつぶす。農家減少・高齢化の衝撃、「ビジネス感覚」農業の盲点、農薬敵視の愚、遺伝子組み換え作物の是非、移民…専業農家のリアルすぎる目から見た日本農業の現状と突破口。

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【スペシャルゲストプロフィール】
有坪民雄(ありつぼ・たみお)

1964年兵庫県生まれ。香川大学経済学部経営学科卒業後、船井総合研究所に勤務。94年に退職後、専業農家に転じ、現在に至る。2ヘクタールの農地で山田錦を中心にコメの栽培をするほか、和牛60頭を肥育。主な著書に『農業に転職する』(2002年、プレジデント社)『農業のしくみ』(2003年、日本実業出版社)『農業で儲けたいならこうしなさい! 』(2009年、SBクリエイティブ)などがある。