apr 15 2022
産業化する中国農業
アグリビジネス - 中国躍進の知られざる原動力
関西学院大学国際学部
教授 寳劔久俊さま
中国の経済躍進において、製造業を中心とした高度成長の陰で見過ごされてきた農業。しかし、「経済発展を可能にしたのは飢饉を乗り越え、厖大な人口への食料供給を実現した農業であった」と語るのは、今回ゲストにお招きした関西学院大学国際学部の寳劔久俊教授。
著書「産業化する中国農業 - 食料問題からアグリビジネスへ」(名古屋大学出版会)を中心に、アグリビジネスにおいて世界的地位を築く中国農業の現状をお聞きしました。
中国農業は、世界と貿易を進める中でレベルアップを繰り返し、当初は収入を重視していた農家も、次第に健康や安心・安全といった付加価値に注目するようになったとのこと。
また、中国をはじめ、アジア地域に共通するのは、人口が多くて土地が少ないこと。つまり、農家あたりの土地の面積がどうしても小さくなってしまうのです。だからこそ、農地の面積を大きくして生産量をあげるのではなく、手をかけて品質の良いものを作った方が単価が高くなり結果的に収益につながることを模索してきたのです。
都市と農村間の経済格差、農業従事者の高齢化など、中国も日本同様農業を取り巻く様々な問題を抱えています。儲かる農業を体現して農業に魅力を見出し、農村から都市に流れる労働力をいかにして食い止めることができるかー
中国農業を具に観察してきた寳劔先生へのインタビュー、ぜひお聴きください。
【書籍紹介】
書籍:産業化する中国農業 - 食料問題からアグリビジネスへ
(発行:名古屋大学出版会)
製造業など工業の高度成長の陰で見過ごされてきた農業。しかしその経済発展を可能にしたのは、飢饉の経験を乗り越えて、厖大な人口への食料供給を実現した農業であった。龍頭企業の台頭など、アグリビジネスでも世界的地位を築きつつある中国農業の現状を、新たな視座で描き出す。
お求めはこちらから
【スペシャルゲストプロフィール】
寳劔 久俊(ほうけん・ひさとし)
1972年東京都に生まれる。2000年一橋大学大学院経済学研究科博士後期課程単位取得退学。日本貿易振興機構アジア経済研究所研究員を経て、関西学院大学国際学部教授、博士(経済学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)。